育休中に働けるのはいくらまで?給付金が減らない計算術

結論
育休中に働いても給付金を満額もらえる上限額は、「本来もらえる給付金の満額」と「育休前の給料の80%相当額から働いた分の給料を引いた額」の、どちらか低い方の金額までです。
…はい、めちゃくちゃ分かりにくいですよね!個人的な見解では、月収30万円の人なら、ざっくり月8万円くらいまで働くと給付金が減り始める危険ゾーンと考えておくと良いでしょう。この記事では、この複雑怪奇な計算式を図解で完全攻略し、「働いた時間」だけでなく「稼いだ金額」によっても給付金がどう変動するのか、その全貌を明らかにします。
筆者:ハジメ
妻が多忙な共働き家庭。第一子の育休(3ヶ月)中に会社の緊急対応で数時間働いた経験あり。その際の給付金計算で冷や汗をかいた教訓を持つサラリーマン。現在第二子の育休(1年予定)を計画中で、この記事の知識をフル活用し「損しない働き方」を模索中。
【警告】公共/公式/大手専門サイトでは書けないような裏話やリアルな事情に触れていく記事です。一般的に書かれているような綺麗事に騙されないために生々しいことが書かれているのでご注意ください。
育休中の就労 ルールを再確認

育休中就労の基本ルールブック
ルール①:育休は「休業」が大前提
まず絶対に忘れてはいけないのは、育児休業は文字通り「休業」であり、育児に専念するための制度だということです。働くことは、あくまで「例外的」な措置です。
ルール②:OKなのは「臨時・一時的な就労」のみ
働くことが認められるのは、会社からの指示があり、かつ臨時的・一時的な業務(例:突発的なトラブル対応、本人しか分からない情報の提供)に限られます。「毎週の会議に出る」「毎日メールチェックする」といった恒常的な業務はNGです。
※注釈:恒常的とは、決まった曜日や時間に定期的に働くことを指します。
ルール③:労使の「合意」が必須
臨時的な就労であっても、会社が一方的に指示することはできません。必ずあなた(労働者)と会社(使用者)双方の合意が必要です。「嫌なら断る権利」もあなたにはあります。
給付金が減る/止まる NGライン

警告!給付金カットの2大トリガー
育休中に働きすぎると、育児休業給付金が減額されたり、最悪の場合ゼロになったりします。その運命を分けるのが、以下の2つの上限ラインです。
トリガー①:働いた「日数」
月 10日
1支給単位期間※ における就業日数が10日を超えると、原則としてその期間の給付金は支給されません。
トリガー②:働いた「時間」
月 80時間
もし日数が10日を超えてしまっても、就業時間が80時間以下であれば、例外的に給付金は支給されます。(ただし、後述する「金額」による減額の可能性あり)
※「1支給単位期間」とは、育休開始日から起算した1ヶ月ごとの期間です。(例:4/15開始なら4/15~5/14)
産後パパ育休はもっと厳しい!
産後8週間以内に取る「産後パパ育休(出生時育児休業)」の期間中は、ルールが少し異なります。休業期間中の就業は可能ですが、休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分を超えて働くと、給付金は支給されません。(例:20日間休む場合、働けるのは最大10日未満かつ総労働時間の半分未満)
いくらまでOK?上限額 計算方法

給付金満額のための上限額 計算4ステップ
ここが最難関!でも大丈夫。あなたの給料を例に、ステップ・バイ・ステップで計算していきましょう。
あなたの「賃金日額」を知る
まず、育休前の給料から計算基礎となる「賃金日額」を算出します。(賃金日額の詳しい計算方法やいつの給料が基準かはこちらの記事で解説)
例:月給38万円 ÷ 30日 ≒ 12,667円
給付金の「満額(本来もらえる額)」を計算
賃金日額に支給日数(原則30日)と給付率(最初の半年は67%)を掛けます。
例:12,667円 × 30日 × 67% ≒ 254,606円 (これが満額)
働いた分の「賃金」を把握
その支給単位期間中に働いて得た給料(額面)を確認します。
例:臨時で働いて 50,000円 の賃金を得た。
2つの計算式で「上限額」をチェック!【最重要】
ここで、給付金が減らないか、以下の2つの計算式でチェックします。両方の条件を満たす必要があります。
計算式①:「賃金」が80%ラインを超えていないか?
働いた賃金 ≦ 賃金日額 × 支給日数 × 80%
例:50,000円 ≦ 12,667円 × 30日 × 80% (≒ 304,008円) → OK!
もし賃金がこの80%ラインを超えると、超えた分だけ給付金が減額されます。
計算式②:「賃金+給付金」が100%ラインを超えていないか?
働いた賃金 + 本来の給付金 ≦ 賃金日額 × 支給日数
例:50,000円 + 254,606円 (≒ 304,606円) ≦ 12,667円 × 30日 (≒ 380,010円) → OK!
もし合計がこの100%ラインを超えると、超えた分だけ給付金が減額されます。
この例では、両方の条件をクリアしたので、働いた賃金5万円をもらいつつ、給付金も満額(約25.5万円)受け取れます!
バレたらどうなる?リスクと注意点

甘い考えは危険!知っておくべきリスク
リスク①:不正受給で全額返還+α
会社に内緒でアルバイトをしたり、働いた時間を少なく申告したりして、不正に給付金を受け取った場合、バレたら全額返還はもちろん、最大2倍の追徴金や延滞金が課される可能性があります。絶対にやめましょう。
リスク②:会社の就業規則違反
多くの会社では、副業が禁止または許可制になっています。育休中に会社の許可なく副業を行った場合、給付金の問題とは別に、会社の就業規則違反として懲戒処分(減給、解雇など)を受けるリスクがあります。
(※副業以外にも、育休中にやってはいけない行動は意外と多いので注意が必要です)
【裏ワザ】トラブル回避の鍵は「合意」と「記録」
どうしても臨時で働く必要がある場合は、必ず事前に会社(上司)と「いつ、何を、何時間やるか」を書面(メール等)で合意しましょう。そして、実際に働いた日時と内容を正確に記録し、会社にも報告する。これが、後々のトラブルを防ぐ唯一の方法です。
体験談:育休中に働いてみた/やめた

まとめ:賢く立ち回り、損をしない

育休中に働いてもOK?最終チェックリスト
-
原則は「休業」!働くのはあくまで例外と心得よ
-
NGライン:「月10日」または「月80時間」を超えたら給付金ゼロ!
-
減額ライン:「稼いだ額」によっても減る!計算式を要チェック!
-
安全策:働く前に必ず会社と「合意」&「記録」
-
裏ワザ:転職活動は「就労」じゃないので、実はやり放題!
育休中に少しでも収入の足しに…と考える気持ちは痛いほど分かります。しかし、ルールを知らずに動くと、数十万円単位の損失を被るリスクと隣り合わせです。この記事の計算方法と注意点をしっかり頭に入れ、あなたの育休を金銭的にも精神的にも、最大限有意義なものにしてください。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品やサービスを推奨・保証するものではありません。最終的な判断は、ご自身の責任において、または専門家にご相談の上で行ってください。
